トヨタの営業マンって、年収が高いって聞きますよね。
でも実際のところ、
どれくらいなのかは分かりにくくありませんか?
ネットで調べると、数字は出てくる。
ただ、それが「自分に関係ある数字かどうか」が、よくわからない。
トヨタ本体なのか。
それとも、ディーラー営業なのか。
この違いを知らないまま年収を見ると、期待と現実がズレます。
この記事では、
トヨタ営業マンの年収を「全体像」から整理します。
トヨタ自動車の営業と、ディーラー営業の違い。
平均だけでなく、幅が出る理由。
伸びる人と伸びにくい人の分かれ道。
そして、
数字の話だけで終わらせません。
自動車業界15年以上の現役営業マンであるぼくの調査と経験をベースにしています。
不安や迷いを抱えながら働く目線で、リアルな実態を言語化しています。
今の自分は、どの位置にいるのか。
これから、どこを目指せそうなのか。
読み終わる頃には、少し整理できているはずですよ。
トヨタ営業マンの年収の全体像
「トヨタの営業って、やっぱり年収高いよね?」
そう思っている人はメチャクチャ多いと思います。
ただし、
そのイメージが当てはまるかどうかは、メーカー本体か、ディーラーかで大きく変わります。
トヨタの営業職は、大きく2つに分かれています。
ひとつは、
トヨタ自動車本体(メーカー側)の営業。
もうひとつは、
全国の販売店で働くトヨタ系ディーラーの営業。
同じ「トヨタの営業マン」でも、
仕事内容も、評価のされ方も、年収の決まり方も別モノです。
メーカー本体と、販売店(ディーラー)を混ぜた瞬間に話がゴチャつくので、最初に全体像をサッと整理します。
ポイント
- メーカー本体とディーラーの役割の違い
- 年収が決まる仕組みの違い
- 高年収に近づく人の共通点
メーカー本体とディーラーでは「営業の役割」が違う

トヨタ自動車本体の営業は、クルマを一台ずつ売る仕事ではありません。
法人向けにまとめて提案を考えたり、
「どの車が、いつ、どれくらい売れそうか」と「作れる数」を整理したり。
全国の販売店が動きやすいように、販売の方針や仕組みを設計する役割です。
トヨタ本体の営業は、売れる現場を“裏側から整える仕事”といえます。
こうしたメーカー本体の役割や、全体の事業構造は、トヨタ自動車の公式IR資料からも確認できます。
一方、トヨタ系ディーラーの営業は現場の最前線。お世話になったことがある人もいるかもしれませんね。
来店したお客様にクルマを提案し、
保険やローン、点検、買い替えまで含めて長く付き合っていきます。
ディーラー営業は、信頼を積み重ねて成果を育てる仕事です。
年収の考え方も、伸び方もまったく違う
トヨタ本体の年収は、
役職(グレード)と評価によって積み上がっていく設計です。
平均年収は約983万円(平均年齢40.7歳、2025年3月期)と、かなり高水準。
賞与の比率が高く、会社業績と個人の貢献度が年収に反映されます。この水準は、トヨタ自動車の有価証券報告書などの開示資料でも確認できます。
ド派手に跳ねることは少ないですが、下振れもしにくい。安定して高い水準を目指せるのがトヨタ本体営業です。
一方、ディーラー営業は、
基本給+賞与に加えて、インセンティブ(歩合)が効く仕組み。
成果が出れば年収は大きく伸びます。逆に、成果が止まると伸びにくい。
同じ年代でも年収差が大きくなりやすいのは、この構造の違いです。なお、営業職全体の賃金傾向は、厚生労働省の職業情報サイトでも目安を確認できます。
メーカー営業、ディーラー営業それぞれの年収の詳細は、この後解説しますね。
高年収に近づく人の共通点は「役割を取りにいく姿勢」
高年収の人に共通しているのは、特別な才能ではありません。
ディーラー営業なら、
台数だけを追わず、信頼を残す動きができる人。買い替えや紹介が自然に回り始めると、年収は安定して伸びます。
メーカー本体の営業なら、
現場の声や数字を整理し、周囲を動かせる人。「売る力」より「動かす力」が評価されるのが本体営業です。
要は、自分の立場で求められている役割を理解できている人ですね。
イチロウちゃんと資料で裏付けがあると、年収の話も信じやすいっスね。



そうだな。事実を押さえた上で考えれば、選択はブレにくい。そこまで来たら、もう十分前に進んでる。それでいいんだ。
トヨタ自動車本体の営業マンの年収


トヨタの営業と聞いて、
多くの人が「クルマを売る仕事」ってイメージしますよね。
ですが、
トヨタ自動車“本体”の営業は、そのイメージとは少し違います。
結論から言うと、年収が高い理由は「売る量」ではなく「担う役割の重さ」にあります。
ポイント
- トヨタ本体営業の年収水準
- なぜ高水準になりやすいのか
- どこで年収が分かれるのか
トヨタ本体営業の年収水準は「高く、安定している」
トヨタ自動車本体(総合職・事技系)の平均年収は、約983万円(平均年齢40.7歳・2025年3月期)とされています。
日本企業の中でも、かなり高い水準です。
この年収は、
基本給に加えて、賞与(ボーナス)の比率が高いことが特徴です。
しかも直近の春闘では、年間7.6か月分という過去最高水準で妥結しています。(今年トヨタに転職した友人がいるのですが、彼は狂喜乱舞してましたよ笑)
つまり、
一発逆転で跳ねるような年収ではなく、
役割と評価を積み上げて、安定して高くなる年収といっていいです。
年収が高い理由は「戦略を動かす仕事」だから
トヨタ本体の営業は、クルマを1台ずつ売る仕事ではありません。
もっと大きな視点で、
「どの市場に、どんな車を、どれくらい出すか」
「そのために現場や関係部署をどう動かすか」
を考える立場です。
- 法人向けに販売戦略をまとめて提案
- 全国の販売店が動きやすい方針をつくる
- 現場の声を集めて、会社全体で使える形に整理
扱うのは、目の前の契約ではなく、事業全体の流れです。
「きつい」なんて声もありますが、だからこそ、年収も高く設定されやすい。
簡単に言えば、
「売る人」ではなく「売れる状態をつくる人」。
この違いが、年収の差につながっています。
年収が分かれる分岐点は「主任クラス」
トヨタ本体の年収は、役職(グレード)ごとに大きく変わります。
なかでも重要なのが、主任クラス。
入社から10年前後が目安とされるこの段階で、年収800万〜1,100万円レンジに入る人が増えてきます。
ここを早く、通過できるかどうか。その後の年収カーブを決める分岐点です。
また、年功序列の色は薄れつつあり、
「どんな役割を任されているか」
「周囲をどれだけ動かせているか」
が評価に直結します。
静かに見えるけれど、中ではかなりシビア。
それが、
トヨタ本体営業のリアルです。



平均年収だけ見ると夢ありますけど…ちゃんと役割を取らないと、そこには届かないってことっスよね。



そうだな。トヨタは“長くいる人”より“任せられる人”を評価する。怖さもあるが、チャンスも平等だ。それでいいんだ。
トヨタディーラー営業マンの年収


トヨタディーラーの営業は、
「クルマを売る仕事」という言葉だけでは収まりません。
実際は、お客様のカーライフを長期で支え、信頼を積み重ねる総合営業です。
その分、年収の決まり方も特徴的。
安定型のメーカー本体とは違い、成果次第で大きく伸びる“変動型”の構造になっています。
ポイント
- ディーラー営業の年収構造
- 役職・地域ごとの年収レンジ
- 高年収に届く人の共通点
年収は「固定+インセンティブ」で決まる
トヨタディーラー営業の年収は、大きく分けて3つで構成されます。
- 基本給と各種手当
- 固定賞与
- 成果に応じたインセンティブ(歩合)
特にポイントになるのが、このインセンティブ。
チーフや主任クラスになると、
年収の25〜40%を占めるケースも珍しくありません。
つまり、
同じ年齢・同じ社歴でも、成果によって年収が大きく分かれる。
「伸びる人は一気に伸びる」一方で、止まると年収も止まりやすい。
それがディーラー営業のリアルです。
役職と地域で、年収の天井が変わる
ディーラー営業の年収は、役職で段階的に変わります。
一般営業
→ チーフ(主任、係長)
→ 店長代理(副店長)
→ 店長
この階段を上がるごとに、
年収の上限も大きく引き上がります。
さらに重要なのが「地域差」です。
大都市圏では固定給が高めに設定され、インセンティブの上限も高くなりやすい。
結果として、
店長クラスでは年収1,000万円超、都市部では1,500万円以上が見えるケースもあります。
役職 × 地域 × 成果
この掛け算で、年収の景色が決まります。
高年収の鍵は「台数」より「利益」と「信頼」
ディーラー営業でよくある誤解が、
「とにかく台数を売ればいい」
という考え方。
実際には、
インセンティブは台数だけでなく、1台あたりの利益(粗利)に強く連動します。
オプション提案や、保険・ローンなどの付帯提案も、年収に直結。
ただし、ここで重要なのがCS(顧客満足度)です。
トヨタ系ディーラーでは、
CS評価が昇進・賞与の絶対条件になっています。
数字が良くても、CSが低ければ評価は下がる。短期的なゴリ押しを防ぐための仕組みです。
結果として、
本当に年収が伸びるのは、「売らずに売る」営業ができる人。
フォローを欠かさず、
買い替えと紹介が自然に回る。
信頼が積み上がった先に、年収がついてくる構造です。
ディーラー営業のリアルな実態は、以下の記事で深堀していますので、ぜひ参考にしてください。



台数だけじゃなくて、利益とかCSとか…やること多いっスね。でも、その分ちゃんと返ってくる感じっス。



そうだな。ディーラーは“誠実さが数字になる世界”だ。急がなくていい。積んだ分は、ちゃんと返ってくる。それでいいんだ。
トヨタ営業マンとして働くメリット


ここからは、トヨタ営業マンとして働くメリットを整理します。
ただし一つ注意。
同じ「トヨタ営業」でも、見ている景色は別モノです。
ディーラー営業のメリット
まずは、ディーラー営業。
最大の強みは、やはりブランド力です。トヨタという名前があるだけで、話を聞いてもらえる確率が違う。
これは、現場に立つほど実感します。
さらに、
成果が年収に反映されやすい。
頑張りが数字として返ってくる分かりやすさがあります。
営業として手応えを感じたい人には、向いている環境です。
トヨタ本体営業のメリット
一方、トヨタ自動車本体の営業。
こちらの強みは、安定性と土台の強さです。
ディーラーのようなノルマはない。
評価は積み上げ型で、年収も大きく下振れしにくい。
長期的にキャリアを描きやすい環境です。
ド派手さより、折れにくさを選べる。
これが、トヨタ本体営業のいちばんの魅力でしょうね。



同じトヨタでも、メリットの質が全然違うんスね…。



ああ。どっちが上じゃなく、どっちが合うか。そこを考えられる時点で、もう前向きだ。それでいいんだ。
トヨタ営業マンとして働くデメリット


次に、デメリットです。
ここも、メーカー本体とディーラーでは意味合いが違います。
「営業だから大変」
では片づけられません。現実を分けて見ていきましょう。
ディーラー営業のデメリット
ディーラー営業は、数字と近い仕事です。
月ごとの目標、達成率。
プレッシャーは避けられません。
さらに、土日勤務が基本。
生活リズムは、一般的な会社員とズレます。
成果が出ない時期は、精神的に削られやすい。
ここをどう乗り切るかが、分かれ道です。
トヨタ本体営業のデメリット
トヨタ本体営業は、
安定している分、変化が遅い。一気に跳ねることは、あまりありません。
評価も段階的。
スピード感を求める人には、物足りなく感じることもあります。
また、調整業務や社内折衝が多い。
「売る」より「整える」仕事が増える点は、人を選びます。
派手な達成感を求める人には、向かないかもしれません。



どっちも、楽な道じゃないっスね…。



そうだな。でもな、きつさの種類が違うだけだ。自分が耐えられるきつさを選べばいい。それでいいんだ。
トヨタ営業マンで年収を上げる方法
年収を上げたい。
これは、自然な欲求です。
ただし、トヨタ営業の場合、上げ方は一つじゃありません。
メーカー本体とディーラーでは、戦い方が違う。
同じ地図を持っていても、進む道が違います。
ディーラー営業で年収を上げる方法


ディーラー営業は、結果が数字に出る世界です。
だからこそ、再現性がすべて。
一発の大型契約より、流れを作る。
納車後のフォロー。
点検や保険を、売り込みにしない。
「またこの人に頼みたい」
を増やす営業が、結局いちばん強い。
紹介とリピートが回り始めると、年収は安定して伸びます。
さらに言えば、環境選びも重要です。
立地、客層、店舗規模。
努力が返ってきやすい場所に身を置くことも、立派な戦略です。
トヨタ本体(メーカー営業)で年収を上げる方法


一方、トヨタ自動車本体の営業。
こちらは、短距離走ではありません。
評価は、積み上げで決まります。だから重要なのは、目標設定の質。
数字だけでなく、
プロセスを言語化する。
「何を考えて、どう動いたか」
を残すことが、評価につながります。
また、組織内での信頼も年収に影響します。
調整役を引き受ける。
面倒な仕事を避けない。
信用残高を積み上げた人から、昇格ラインに近づく。
派手さはなくても、確実に効いてきます。
メーカー営業の立ち回り方について学びたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。有料記事ですが、「消耗しない働き方」を通して年収アップも目指せます。
社内で消耗しない【メーカー営業の教科書】



年収の上げ方って、一つの正解があると思ってたっス…。



正解は一つじゃない。自分の立ち位置に合った上げ方を選べた人が、結果を出す。それでいいんだ。
【まとめ】トヨタ営業マンの年収を知ったうえで進むべき方向性
トヨタ営業マンの年収について、ここまで整理してきました。
まずは大きく分けて、
「メーカー本体」と「トヨタディーラー」
という2つの立場があること。
この違いが、
数字にも、働き方にも、キャリアの景色にも直結します。
メーカー本体は、
安定性があり、積み上げ型の評価制度が特徴です。年収はゆっくり、しかし確実に伸びていきます。その分、評価は目標とプロセスで丁寧に組み立てられます。
一方でディーラー営業は、
成果と行動が密接に関係しています。数字が出れば年収に跳ね返り、出ない時はぶっちゃけ厳しい。でも、顧客と継続的な関係構築ができれば、その結果は確実に年収へ反映されます。
この記事を通して伝えたかったのは、平均年収だけで判断しないこと。
数字はあくまで結果であって、
そこに至る道のりと、どんな考え方で進むかが本質です。
もし、トヨタ本体のメーカー営業マンとして働く未来や、転職・キャリアの決断を考えているなら、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
【実体験】トヨタ系の転職にある「紳士協定」の真相とは?
また、トヨタ本体への転職を狙うなら、自動車業界に強いエージェントの活用は必須です。
メーカー本体・ディーラー、それぞれの強みと違いを理解したうえで、自分の価値観に合った選択をしていけば、年収もキャリアも自然とついてきます。
この記事が、あなたの判断材料の一つになれば嬉しいです。
今日も良い一日を!









